本ブログシリーズでは、SAP S/4HANA(以下、「S/4」) とSAP Datasphere (以下、「Datasphere」) とのデータ連携の設定について解説します。
今回はS/4とDatasphereを接続するためのS/4システム側での事前設定について解説します。
設定を始める前に下記のマニュアルをご確認ください。
SAP Datasphere : SAP S/4HANA への接続を準備
DatasphereがDP Agent経由、または、Cloud Connector経由でS/4システムに接続するために、S/4システム上で「代表ユーザ」を作成します。
このS/4ユーザ (ABAPユーザ) に必要な権限は下記のマニュアルを参考にしてください。
また、Datasphere との連携においては、複数のS/4ユーザが各々の権限の範囲でCDS View をレプリケーションしてアクセス範囲を分けたり、1人のS/4の代表ユーザで全てのS/4のCDS Viewをレプリケーションすることもできます。
※ 下記の図の「接続(リモートソース)」については後続のブログで解説します。
このS/4の代表ユーザは、S/4側でのCDS Viewのアクセス範囲にも関連するので、S/4のユーザ管理 / 権限管理者と相談の上、適切な権限設定を行ってください。
S/4システムから大量データをDatasphereにデータ転送する際、S/4システム側のアプリケーションサーバでのメモリ枯渇の問題を発生させないためにデータ転送をストリーム化する場合は、S/4側でABAP RFC ストリーミングの設定を行います。
下記のマニュアルを参考にしながら、SAP Basis(ベーシス)のコンサルタント/エンジニアの支援を得て設定を進めてください。
SAP Datasphere : ABAP RFC ストリーミングの前提条件
手順の概要をご紹介します。
S/4 システムで RFC 宛先を作成します。RFC 宛先を使用し、DP Agentをサーバプログラムとしてソースシステムに登録します。
トランザクションコード 「SM59」 を使用し、ユーザ定義名で TCP/IP 接続を作成します。
「Create」ボタンをクリックしてRFC 宛先を作成します。
「RFC Destination」で任意の名前を付けますが、この後のDatasphereからS/4システムに対しての接続設定情報にこの名前を利用するので、分かり易い名前がいいでしょう (SAPDPAGENT等)。
「Connection Type」では「T RFC connection to external program using TCP/IP 」選択します。
「Description」に概要を入力します。
「Activation Type」で「Registered Server Program」を選択し、「Program ID」に「IM_HANA_ABAPADAPTER_*」を入力します。
入力し終えたら、Saveボタンをクリックします。
SAP Gateway に正常に登録するには、適切なセキュリティ権限を設定する必要があります。
ゲートウェイに接続できるホストを制御するアクセスコントロールリスト (ACL) を設定します。
ACL ファイルには、<permit> <ip-address[/mask]> [tracelevel] [# comment] のような構文を記述する必要があります。ここで、<ip-address> はデータプロビジョニングエージェントがインストールされたサーバの IP アドレスです。
※ 繰り返しになりますが、SAP Basis(ベーシス)のコンサルタント/エンジニアの支援を得て設定してください。
設定は以上になります。
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