Technology Blogs by SAP
Learn how to extend and personalize SAP applications. Follow the SAP technology blog for insights into SAP BTP, ABAP, SAP Analytics Cloud, SAP HANA, and more.
cancel
Showing results for 
Search instead for 
Did you mean: 
RinaFukutani
Associate
Associate
0 Kudos

本ブログシリーズはSAP Analytics CloudのPlanning機能をこれから学ぶ方を対象とし、予算計画などの一連の予算管理業務に必要なSAP Analytics Cloudのそれぞれの機能の特徴や要点をご紹介します。 

※機能の詳細ついてはSAP Help Portalを参照ください。

※ SAP Analytics Cloudは、四半期に1度のペースで製品のバージョンアップが実施されます。そのため今後のバージョンアップにより、本ブログで紹介する画面キャプチャや、操作が異なる可能性があることをご了承ください。(本ブログは2024年4月に作成しています。)

本ブログでは、SAP Analytics Cloudにおけるチェックルールをご紹介します。

目次:

  • 計画業務におけるデータチェック
  • チェックルールの設定の条件と注意事項
  • チェックルールの共通設定
  • バリデーションチェックにおいてのチェックルール
  • 誘導におけるチェックルールの詳細な作成手順
  • まとめ

計画業務におけるデータチェック

計画業務において必要とされるデータチェックには主に2種類あります。

データバリデーションチェック
複数の対象項目に入力された値の組み合わせが、予め定義された項目の組み合わせと一致しているかチェックします。

RinaFukutani_1-1712649997568.png

誘導
ソース項目とターゲット項目の関連が定義されており、ソース項目に入力された値によってターゲット項目の値が決定されます。

RinaFukutani_2-1712649997569.png

SAP Analytics Cloudでは、この2つの機能を「チェックルール」という機能として提供しています。

チェックルールの設定の条件と注意事項

チェックが行われる条件

  • ストーリーやからのマニュアル入力時にのみチェックが行われます
  • データアクションやマルチアクション実行時にはチェックは行われません
  • ファイルインポート実行時にはチェックは行われません

注意事項

  • 1つのモデルに対して 3つのルールを作成できます
  • 1つのルール内では3つのディメンションを定義できます

チェックルールの共通設定

  1. モデル設定でチェックルールをオンに切り替えます
    モデルの推奨設定>アクセスとプライバシー>チェックルール

Picture5.png

 

  1. ワークスペースをチェックルールにして、チェックルールを追加
    • メンバを使用して作成 :組合せをチェックルールに直接定義します
    • 既存の属性を使用して作成:ディメンションメンバの属性値をチェックで使用します

Picture6.png

バリデーションチェックにおいてのチェックルール

デモシナリオ

今回の計画モデルでは、原価センタ次元と利益センタ次元があり、原価センタと利益センタ次元間のメンバの組み合わせをチェックルールで定義します。原価センタと利益センタには以下の次元メンバがあります。

RinaFukutani_5-1712649997580.png

手順

  1. チェックルールの名称を入力します

    Picture8.png

  2. ディメンションに利益センタ、原価センタを指定し、許可する組み合わせを設定します

    Picture9.png

  3. 表示からテーブルプレビューに変更し、視覚的に許可された組み合わせを確認します
    Picture10.png


    未割当に対しては、チェックは行われず、チェックルールに一度も登場しない項目は一律ブロックされます
    Picture11.png
  4. スタイルから編集可能なセルに色を付けた状態にして、上の設定をしたモデルをテーブルとしてストーリー上に表示すると、テーブルプレビューの「許可済み」の組み合わせが編集可能です

Picture12.png

誘導におけるチェックルールの詳細な作成手順

バリデーションと同様に、計画モデルに原価センタ次元と利益センタ次元があり、原価センタと利益センタ次元間のメンバの組み合わせをチェックルールで定義します。デモシナリオや手順は、バリデーションチェックと変わらないため、具体的な設定とストーリーでの動きのみを見ていきます。
誘導が目的のため、誘導先の値は一意に設定します。

Picture13.png

1つの利益センタに対して、1つの原価センタと未割当とルールで明示的に指定したもののみ許可されます。例えば、PC1に対しては、CC1と未割当のみ許可されています。

Picture14.png

ストーリー

誘導を行うためのストーリーの定義

  • 誘導先のディメンションを行列に定義しません
  • 誘導先のディメンションをストーリーのフィルタに設定し、未割当を除外します

この定義を満たした状態で、下図の例のようにPC1200を入力し、原価センタを表示すると、チェックルールで指定したCC1が誘導されます。
Picture22.png

階層がある場合

続いて、ディメンションに階層がある場合にどのような動きをするか見ていきます。下のような階層を持った利益センタと原価センタがあります。

RinaFukutani_14-1712649997617.png

RinaFukutani_15-1712649997618.png

この状態で、一度ストーリーを確認しています。今回、PC1CC1,CC2,CC5には0が入っています。

Picture16.png

ここでチェックルールとして、下のように設定します。

Picture17.png

この状態で、製造部門に300を入れます。そうしますと、CC1CC2CC5にもともと入っていた値は0なので、300が等分されて100ずつ入ってきます。

Picture18.png

その後、モデル推奨設定→計画→「チェックルールに基づく」をオンにします。

Picture19.png

その後、同様に製造部門の値を300500に変更すると、チェックルールで許可されていないCC5の値は100として固定され、CC1CC2の値が変更されます。
このように、チェックルールに基づいて値を分解したい場合は、モデル推奨設定→計画→「チェックルールに基づく」をオンにする必要があります。

Picture20.png

終わり

今回はデータチェックのご紹介でした。SAP Analytics Cloudは予算計画などの一連の予算管理業務に必要な機能を備えており、本ブログシリーズではそれぞれの機能の特徴や要点をご紹介しています。
こちらのリンクからご参照ください。